事務職の中でも「何をするのか分かりづらい」と言われることの多い総務事務。
「会社のなんでも屋」「縁の下の力持ち」なんて言われることもありますが、実際の仕事内容や1年間の流れはどんなものなのでしょうか?
今回は、私が実際に総務事務として働いていた経験をもとに、リアルな仕事内容と年間スケジュールをわかりやすく紹介していきます。
「総務事務って忙しい?」「自分にできるかな?」と気になっている方に、少しでもイメージが湧くような記事になれば嬉しいです。
総務事務の仕事内容とは?日常業務+年間スケジュールで解説
会社の何でも屋?総務事務が担当する仕事とは
総務事務をひとことで言うなら、会社全体を裏から支える “何でも屋” ポジションです。
社内の備品管理や消耗品の発注、社員情報の管理、各種契約書類の作成・整理など、「どの部署の仕事にも当てはまらない業務」を幅広く担当するのが特徴です。
いわば、会社の中で発生する “細かくて見落とされがちだけど重要な業務” の第一受け入れ窓口のような存在。
地味に見えても、会社全体が円滑に動くためには欠かせないポジションだと私は感じています。
総務事務の年間スケジュールをざっくり紹介
総務の業務は、営業事務のように1日単位で動くというより、月ごと・季節ごとの流れに沿って進んでいくのが特徴です。
私が実際に経験した「総務事務の年間スケジュール」を、月ごとにざっくりご紹介します。
4月 | 新入社員の備品、制服の発注、社用車のタイヤ交換手配 |
5月 | 夏服の発注数の確認・発注 |
6月 | お中元の準備・発送、お盆休みに向けた社外向けお知らせ作成 |
7月 | お中元のお礼状作成・送付 |
8月 | 急ぎではない業務の処理(書類整理、業務改善、データ整理など) |
9月 | 冬服の発注数の確認・発注 |
10月 | 急ぎではない業務の処理(書類整理、業務改善、データ整理など) |
11月 | お歳暮の準備・発送、社用車のタイヤ交換、 年末年始休みに向けたお知らせ作成 |
12月 | お歳暮のお礼状作成・送付、年賀状の準備 |
1月 | 急ぎではない業務の処理(書類整理、業務改善、データ整理など) |
2月 | 急ぎではない業務の処理(書類整理、業務改善、データ整理など) |
3月 | 新入社員受け入れ準備(整理整頓、書類手配) |
このような季節対応に加えて、日常的に発生する通常業務や突発対応も並行して行います。
たとえば…
- 社員の出張に伴う宿泊手配
- 社用車の車検手続き
- 社内向けのお知らせ作成
- 契約書関連の書類準備・対応
- 電話・来客対応(総務の場合、会社全体の“窓口”としての対応も多いです)
日々の業務はルーティンというよりも “流動的な対応” が多く、柔軟さと同時に、全体の優先順位を常に見極める力が求められると感じています。
やりがいと大変さ|“何でも屋”ならではの苦労と工夫
総務事務のやりがいは、社内全体を支える “縁の下の力持ち” であることそのもの。
とくに同僚や上司から「いつもありがとう」「助かってるよ」と声をかけてもらえると、自分の仕事がきちんと見られているんだなと実感できとても励みになります。
──とはいえ、大変な面ももちろんあります。
総務は「これってどこの部署がやるべき?」といった業務がまず最初に集まる “受け皿” のような存在です。
業務内容がバラバラで優先順位をつけづらく、
季節業務に数日〜数週間かかることもあるなか、突発業務が飛び込んでくることも。
また、
- 業務ごとに対応先やルールが異なる
- 「あの件どうなった?」と進捗確認を頻繁に受ける
- すぐに答えられないと「まだなの?」と言われがち
…といったことに心折れそうになる瞬間もあります。
でも逆に言えば、こうした “見えにくいところを丁寧に整える人” がいるからこそ、組織はちゃんとまわっているんだと思います。
「大変だけど、縁の下から支えてる実感がある」──それが総務事務のリアルです。
総務事務に求められる3つのスキルとは?
総務事務をスムーズにこなすために、特に意識しておきたいスキルは以下の3つです。
1. Officeソフトの基本操作
WordやExcel、メールソフトなど、PCでの事務処理は日常業務の基本です。
とくにExcelでは、簡単な表計算や四則演算、関数(SUMやIFなど)が使えると効率がぐっと上がります。
難しい操作をマスターする必要はありませんが、事務処理を「正確に・早く」進めるための“基礎力”は備えておきたいところです。
2. 社内外と連携できるコミュニケーション力
総務は「誰かのサポート役」である場面が多いため、報連相(報告・連絡・相談)ができることがとても大切です。
- 社員からの問い合わせ対応
- 外部業者との連絡(予約・確認など)
- 電話対応や来客対応
など、「人と接する場面」は思っている以上に多くあります。
そのため「黙々とPCに向かっていればいい」というイメージで総務事務を選ぶと、ギャップに驚くかもしれません。
3. イレギュラーに対応できる柔軟性
総務は決まった業務だけでなく、突発的な依頼も多いポジションです。
「これ、総務にお願いできる?」といった“想定外”の仕事が日常的に舞い込んできます。
そのため、
- 状況を見て優先順位をつける判断力
- 今までの経験を活かして柔軟に動く力
が求められます。
「言われたことをやるだけ」では立ち行かない場面も多いため、ちょっとした判断力や気配りが活きる職種です。
これらのスキルは、最初から完璧である必要はありません。
一つずつ経験を重ねながら、自分なりのやり方で育てていける力ばかりです。
「わからないことは素直に聞く」「急ぎの依頼には一呼吸置いて整理してから対応する」
…そんな心がけができる方なら、総務事務としてしっかり活躍していけるはずですよ。
総務事務は未経験でも大丈夫?実体験から語るポイント
結論から言うと、総務事務は未経験からでも目指せます。
ただし、総務の業務内容は会社によってかなり幅があります。
私が経験した職場では、人数が少ないこともあり「とりあえず総務に頼もう」という風潮がありました。
備品の管理から、契約書の処理、社内イベントの段取りまで…。
いわば「なんでも屋」のようなポジションです。
そう聞くと大変そうに思えるかもしれませんが、実際には
「分からないことをそのままにせず、素直に聞ける」
「必要なときに周囲と連携できる」
といった基本的なコミュニケーションが取れる方であれば、十分に活躍できる環境だと感じています。
総務事務は、地味だけど確実に周囲から頼られる存在。
少しずつ経験を積み重ねていけば、ちゃんと“社内の要”になれる職種ですよ。
総務事務を目指す人へ|“会社を支える”という誇りをもてる人へ
正直に言うと、総務事務は決してラクな仕事ではありません。
「なんでも屋」と呼ばれるように、業務の幅が広く、専門性が見えにくいために、ときには軽視されたり「便利屋」のように扱われる場面もあるかもしれません。
でも私は、それでも総務という仕事に大きな価値があると感じています。
会社が毎日きちんと機能するために、
社員が気持ちよく働ける環境を支えるために、
表には出なくても、確実に誰かの役に立っている仕事。
それが、総務事務です。
だからこそ――
誰かに感謝されることが少なくても、
黙々と役割を果たすことに誇りを持てる方には、ぴったりの職種だと思います。
この記事が、これから総務事務を目指す方のヒントになれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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