前回の記事では、スプレッドシートとの連携エラーに苦戦している進捗報告をお届けしました。
次回は「エラー解決編」をお届けします
と予告していたのですが…
結果として、エラーは解決できませんでした。
それでも、この1週間で少しだけ進展したことがあります。
今回は、その選択に至った経緯や試行錯誤の中で考えたことなど、
この1週間の葛藤と気づきを綴っていこうと思います。
不具合修正に集中しすぎて目的と手段が入れ替わってしまっていました
一向に直らない不具合の数々…
プログラムを組むときは、いきなり全体を作ろうとするのではなく、
一つ一つの処理が正しく動くかを確認しながら進めていくのが大切です。
私は今回もExcelマクロ(VBA)を組んでいたときと同じように、
「まずは1項目ずつ、スプレッドシートに正しく送信できるか?」
という形で少しずつ構築を進めていきました。
すると…
一つ一つは問題なく動くのに組み合わせるとエラーが出る。
原因と思われる部分を修正するとまた別の場所で新しいエラーが出る。
……という無限ループに突入。
今回やろうとしている処理はVBAにはなかった考え方も含まれており、
私にとっては完全に初見の領域です。
それでもなんとか粘っていたのですが…
エラーとの格闘が3日目を超えたあたりで、正直だいぶ心が折れてきてしまいました。
ふと目的が変わってしまっていることに気づいたある日
一向に解消される気配のないエラーと格闘していた4日目、
ふと、こんな疑問が頭をよぎりました。
「この終わらないエラーとの格闘に、本当に意味はあるのか?」
「実務で使うツールなのに、こんなに時間をかけていていいのか?」
今回作っているのは社内で実際に使うための “業務依頼ツール” です。
勉強のための開発ではなく、目の前の業務課題を解決するための実用ツール。
にもかかわらず、エラー解決に時間をかけすぎてしまえば、
問題の解決は遅れ、人件費(作っている私の労力)ばかりが無駄にかかってしまう…。
そう、今回は「勉強」ではなく「実務」だったはず。
気がつけば「ツールを完成させること」ではなく、
「エラーと戦うこと」自体が目的になっていたことに、やっと気づいたのです。
エラーと格闘することで頑張っているような気持ちになってしまいがちですが…
でも、ツール使用者(依頼者)にとってそんなことは関係ないんですよね。
そこで私は、一度立ち止まって、
「このツールは誰のために作っているのか?」を改めて考え直すことにしました。
新しい入力方法はGoogleフォームに切り替えました
今回、私が作ろうとしているツールの目的と重要なポイントは以下の通りです。
ツールの目的
- チャットや口頭での業務依頼が埋もれがちなので別の形で記録を残したい
- 依頼を一覧で管理し、部署のメンバー全員が確認・編集できるようにしたい
- 依頼内容と進捗状況をわかりやすく“見える化”したい
ポイント
- 依頼者のITリテラシーには大きな差がある
- 面倒くさがりな人でも使えるように、入力画面はとにかくシンプルに
目的自体は明確だったのですが、
よくよく考えると「使う人(依頼者)の視点」が抜けていたことに気づきました。
というのも、今の会社はITリテラシーに大きなばらつきがあり、
特に依頼をする側は「操作に不安のある人」が多いんです。
そこで改めて、セキュリティや操作性の課題を整理してみました。
現行のHTMLフォーム案の問題点
- Googleアカウントが会社全体で統一されていない
- HTMLフォームは「全員に公開」しないと入力できない仕組みになってしまう
- 過去にアカウント乗っ取り・ウイルス感染の事例もあり、セキュリティ意識は高める必要がある
そんなとき、社内でGoogleフォームを使ったアンケートが回ってきたんです。
それを見て、「あ、これでいいじゃん!」とひらめきました。
そして以下のように今回の設計を見直しました。
方向転換し、Googleフォーム+GASでの再設計
- 入力フォームはGoogleフォームを使う(URL共有型)
- スプレッドシートへはGASを利用し情報送信を行う
つまり、「入力は簡単に、整形はGASで柔軟に」という方針です。
Googleフォームはデザインの自由度は低いけれど、
依頼者側の手間が減るという点ではむしろ理想的かもしれません。
今回の切り替えは「実務で本当に必要なものは何か」を改めて考え直した結果。
それに、GASは引き続き使うので自分のスキルアップにもちゃんとつながります。
方向転換に迷いはありましたが、実務と学習の両立という意味では、
今の方針がベストなのでは?と感じています。
“完成”じゃなくても、ここまでで得られた大切な視点
今回のツールはまだ完成していません。
でも今振り返ってみると——
この「うまく作れなかった経験」自体が私にとって大きな学びになった気がしています。
実務には期限がある。
「どこまでのものを、どこまでの時間で作れるか」を見極める必要がある。
そのうえで、どこを諦め、どこにこだわるか。
それを考える力もまた “実務で活きるスキル” なんだと気づきました。
今回はたまたま社内ツールだったのである程度は融通が利きましたが、
もしこれが副業や社外の案件だったら、時間も納品も “絶対” です。
完成には至らなかったけれど、
「実務で使えるツールを作るとはどういうことか」
その本質を少しだけつかめたようなそんな気がしています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回予告
実はGoogleフォームの操作も今回が初体験!
何もかもが初めての状態で一体どこまでスムーズに進めることができるのか…
自分でもちょっとドキドキしています。
次回は、(可能であれば)Googleフォームの完成と、
その入力情報をスプレッドシートへ自動で飛ばすところまでの進捗をお届けできたらと思っています。
この業務依頼ツール作成シリーズは、まだまだ続いていきますので、
よければ次回も、見守っていただけると嬉しいです!
\このシリーズをはじめから読む/
▶「口頭やチャットでの依頼が埋もれる…」事務職の私が業務依頼ツールを自作しようと決意した話【VBA経験者の挑戦記】
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