「事務職って誰にでもできるでしょ?」
事務職として働いてきた中で、何度かそう言われたことがあります。
たしかに、一般事務のように専門的なスキルが求められない職種であれば、「誰にでもできる」と思われるのも無理はないかもしれません。
でも私は、「誰にでも”できる”」と「誰にでも”こなせる”」は似ているようでだいぶ違うと思うんです。
今回は、そんな事務職の中でも見落とされがちな、小さなマルチタスクについて深掘りしてみます。
もし共感してもらえたり、事務職の見えにくい大変さを知ってもらえたら嬉しいです。
すまし顔の裏で…?事務職の「小さなマルチタスク」が意外と大変
集中したい時に限って…電話と来客で途切れる仕事のリズム
事務職って、本当に誰にでもできるのでしょうか?
たしかに、ひとつひとつの業務だけを見れば、そこまで難しくない作業も多いかもしれません。
でも例えば、地味に時間がかかる書類を「今日中にお願い」と頼まれたから、いざ集中して取り掛かろうとしても、電話や来客の対応で作業は何度も強制的に中断されます。
しかもそういう日に限って、なぜか電話や急な来客が重なることも多いんです…。
早く仕上げなければならないのに、作業は3歩進んで2歩下がるような状態。
それでもイライラせず、丁寧に対応しながら仕事を進めるのが事務職。
こうした状況は、実は特別なことではなく事務員にとってはよくある日常なのです。
電話対応や来客対応は誰にでもできるって思ってない?
一度想像してみてください。
自分が集中して取り組んでいるときに、何度も電話が鳴ったり、人が訪ねてきたりする毎日。
皆さん本当にそんな日々、耐えられますか?
本当にたまにですが、あまりに忙しい時に「今日だけ電話対応の協力お願いします」と普段電話に出ない同僚に頼むことがあります。
本当にたまになので、嫌な顔はしつつも協力してはくれますが、やはり自分の仕事とは思ってないからか数コールなってもすまし顔。
本当にびっくりしたのは、私が席を立っているときに電話がずっとなりっぱなしだった時です。
「電話対応なんて誰にでもできる仕事じゃん!」って、言ってませんでしたっけ……?
さすがに私が席にいないときくらいは代わりに対応お願いしますと伝えたところ、「電話なってた?ごめん、集中してて気づかなかった!」です…。
もちろん、集中して仕事をするのは大事なことです。
ですが事務職って、一つのことだけに集中していたら「気が利かない」「使えない」なんて評価されがちなんです。
それに、事務員は会社の顔として電話や来客などの外部対応を任されることも多いポジション。
ここをおろそかにすると、相手によっては「この会社、大丈夫かな?」と信用を落とすことだってある。
だからこそ、たとえ誰にでもできる仕事だとしても、雑に扱っちゃいけないんです。
そう考えると、やっぱり事務って「誰にでもこなせる仕事」なんかじゃないと思いませんか?
積み重なる小さな業務
例として電話対応や来客対応を挙げましたが、もちろんそれだけじゃありません。
パンパンになったゴミ袋の交換に、詰まったシュレッダーの袋替え。
プリンターのトナーが切れればそれも交換。
そして、なぜかパソコンに詳しそうだと思われて、操作に困った人に呼ばれてミニIT講習会が始まることもあります。(私の場合は確かに基本的なことなら教えられるので、そういった内容で頼られることも業務の一環とは捉えています)
こうした業務はたいてい、「今ちょっとお願い」と軽く声をかけられて始まるものばかり。
そして、事務員の仕事は誰でもできると思っている人ほど、こちらの都合なんておかまいなしに話しかけてきて、こちらの作業を平気で止めさせるんですよね。
しかもそういう人に限って、自分が集中しているときに話しかけられると怒るんです。
いや、それ…こっちも何回もやられてますけど……?って思います。
こうやって、小さな業務がじわじわと積み重なっていくんです。
見えにくいけれど、気づけば1日中落ち着いて作業できた瞬間なんてなかった、なんてことも珍しくありません。
営業やエンジニアのように、案件単位で仕事を頼まれたり、業務時間外に呼び出されるなんてことは少ないかもしれません。
でも、定時で帰れているからといって、日中に余裕があるとは限らないんです。
——もう少し、ほんの少しだけでいいから。
事務員だって毎日いろいろ抱えてるんだって、気づいてもらえたら嬉しいなと思うこと、正直あります。
それでも毎日笑顔で働く事務員の裏側
ここまで事務職の見えにくい一面についてお話してきましたが、もちろん私はこれらの業務も仕事の一部として大切に向き合っています。
特に社内全体と関わることが多い事務職は、実は会社の空気を作ってしまうこともあるんです。
”作ってしまう”と表現しているのは、それが良い方向にも悪い方向にも向いてしまうから。
たとえば、経費精算や備品の相談をしようと思っても、事務員がピリピリしていたら話しかけづらくなりますよね。
だから私は、多少モヤっとすることがあってもなるべく毎日笑顔で仕事をするようにしています。
もちろん笑っているからといって、何も思っていないわけじゃありません笑
雑用も、喜んで引き受けているわけではないですし…
でも、不満がゼロで働いている人なんていないんですよね。
社会人経験も少しづつ積み上がり、それに気づけたからこそ、それなら笑顔で仕事をした方が周りも自分も気持ちよく仕事できるよね。そんな風に思えるようになりました。
とはいえ、事務員の働きって見えにくいからこそ軽視されがち。
もし少しでも思い当たることがあったら、社内の事務員さんに「ありがとう」の一言をかけてもらえるととても励みになります。
最後に、自分のスキルがどのくらい通用するのか気になったことはありませんか?
私も過去に転職活動をしたとき、初めて自分の強みに気づくことができました。
そんな経験から、おすすめの事務職向け転職エージェントについての記事も書いています。
今すぐ転職を考えていなくても、将来のためにスキルの棚卸しとして活用するのはアリだと思いますので、ぜひこちらも覗いてもらえると嬉しいです。
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