『いつか地方に移住してのんびり暮らしたい。』
最近そんな声をネットで見かけることが増えてきました。
「都会の喧騒から離れて自然の中でゆったり生活したい」
その気持ち、すごくよく分かります。(都会に暮らしたことはありませんが…)
ですが、実際の田舎暮らしは思っているより大変なことも多いのが正直なところ。
都会生まれ・都会育ちの人にとっては、ギャップに驚く場面もあるかもしれません。
移住してから「こんなはずじゃなかった…」と感じてしまう人が少しでも減るように、今回は、田舎生まれ・田舎暮らしの私が感じている日常のあれこれを参考までにまとめてみました。
地方移住を検討している人の判断材料のひとつになれたら嬉しいです。
理想だけで決めると大変?田舎暮らしのリアルを綴ります
私が暮らす田舎の雰囲気
“田舎” とひとことで言っても、地域によって雰囲気や生活のしやすさはさまざまです。
この記事が少しでも参考になるように、まずは私が暮らしている場所のことを簡単にご紹介しておきます。
私が住んでいるのは、映画やドラマに出てくるような“山奥の集落”というほどではありません。
生活に必要なスーパーやドラッグストア、郵便局などは、車で10分以内の範囲に一通り揃っています。
ただ、おしゃれなカフェやショッピングモール、娯楽施設などは車で30分〜1時間圏内。
せっかくできたと思ったお店も、気づいたら閉店していることが多かったりします…。
SNSなどで話題になるスポットといえば、春や秋の自然がきれいな公園や里山といった場所が多く、
派手さや便利さよりも、“季節を感じられる素朴な空気” が魅力の地域です。
「ザ・田舎」というほどの秘境ではなく、いわば “程よく田舎” な地方暮らし。
もしあなたが「都会の喧騒から離れて静かに暮らしたい、でも山奥すぎるのは不安…」という方なら、もしかするとちょうどいいバランス感として参考になるかもしれません。
メディアでよく見る理想の田舎暮らし
最近、ネットやSNSでよく見かける “理想の田舎暮らし” のイメージはこんな感じです。
- 自然に囲まれて、のびのびと子育てできる
- 野菜や果物、魚介類が安くて新鮮で美味しい
- 物価が安く済む(生活コストを下げられる)
- 地域のつながりが強く人が温かい
こうした情報を目にすると、「なるほど確かに、田舎の良いところってこういうところだよね」と思いますし、実際にそういう一面もあるのは間違いありません。
でも同時に、「ちょっと良い面だけが先行しすぎてるかも…」とも感じました。
私が暮らす田舎にも、もちろん魅力はあります。
けれど、想像しているよりも大変なこともありますし、良い部分の魅力が “日常” としてどう感じられるかは人によるとも思うんです。
このあとは、私が実際に感じている田舎暮らしの良いところ・大変なところについて、実生活をもとにお話ししていきます。
少しでもリアルな視点での「田舎暮らしの現実」が伝われば嬉しいです。
田舎暮らしの良いところ
実際に田舎で暮らしていて、「ここは本当に良かったなぁ」と思うことをご紹介します。
メディアやSNSで言われている“田舎暮らしのメリット”は、実際のところわりと当たっているなと思います。
たとえば、ほどよく自然に囲まれている環境は、気持ちをリセットするのにぴったりですし、野菜や果物がとても美味しいのは本当です。
私自身は都会で販売されている野菜をあまり食べたことがないのですが、都心に住む知人が「仕事帰りにスーパーに寄っても、おいしそうな野菜なんてほとんど残ってない」「地方に住んでいる人からもらった野菜がみずみずしくて、本当においしくて感動した」と話していたのを聞いて、自分が当たり前に感じていた “食の豊かさ” に改めて気づくことがありました。
あと、地域のつながりが強いことに助けられる場面もたくさんあります。
たとえば、体調が悪くて買い物に行けないとき、近所の方から食べ物をおすそ分けしていただいたこともあります。
こういったやりとりが成り立つのは、普段からご近所との関係がちゃんとあるからなんですよね。
関係がなければ、いくら隣に住んでいても「このご時世、誰かも分からない人からもらうのは怖い」と感じてしまうと思います。
それから、私は子育て経験がないので詳しくは語れませんが、それでも「地域で誰の子かがある程度把握されている」ことは、登下校時の見守りや何かあったときの気づきに繋がっていて、今の時代には貴重なことだと感じています。
このように田舎暮らしには人と人との温かいつながりがあります。
だからこそ、人とのつながりを大切にしたい人にはぴったりの環境なんじゃないかな、と思います。
田舎暮らしの大変なところ
田舎暮らしの良いところを紹介したところで……
今度は、実際に住んでいる私目線での “田舎暮らしの現実” についてもお伝えします。
移住を検討している方には、いい話ばかりで判断しないことが大切だと思うからです。
物価が安い? それは “収入次第” です
よく「田舎は物価が安くて生活コストを下げられる」と言われますよね。
確かに家賃や野菜など、一部のモノは安く済むかもしれません。
でも、それだけで田舎暮らしがお得だと思うのはちょっと危険です。
なぜなら、物価が安い=賃金も安いからです。
リモートワークやフリーランスなどで、都市部の収入を維持しながら田舎で暮らすなら問題ないかもしれません。
でも「仕事も暮らしも一から田舎でやり直そう」と考えている方は注意が必要です。
実際、田舎で高収入の仕事に就くのはかなり難しいと私は感じています。
実際、私自身も転職活動でいろいろ悩んだ時期がありました。
「自分に合った働き方」や「希望のライフスタイル」を見つけるには、事務職専門の転職エージェントを活用するのも選択肢の一つです。
実体験ベースでおすすめできると感じたサービスを、以下の記事で紹介していますので、気になった方はそちらも覗いてみてください。
さらに、車がなければ日常生活もままなりませんし、地域によってはご近所付き合いや職場の“おすそ分け文化”にも意外とお金がかかる場面があったりします。
このように、田舎暮らしは「収入とのバランス」で考えることがとても重要です。
人とのつながりが強い=良いことばかりとは限らない
そしてもう一つ。
田舎の魅力として「地域の人の温かさ」「つながりの強さ」が語られることも多いですよね。
たしかに、それが心の支えになる場面もあります。
でもその一方で、人との距離の近さがしんどくなることもあるのです。
特に印象的だったのが、コロナウイルスが流行し始めた頃の出来事です。
私の住む地域では、最初の感染者が出たのが接客業を営む家族のお店でした。
感染は避けようのない状況だったと思いますが、その出来事は翌日には町中に知れ渡り、やがてお店には石が投げ込まれたり、「町から出ていけ」という張り紙が貼られるようになってしまいました。
もちろん全員がそういう考えだったわけではありませんが、これは「地域の団結」が悪い方向に働いてしまった例だと思います。
実際、田舎では “よそ者” や “変わった人” に対して警戒心を持つ人が一定数いるのも事実です。
地域に馴染むには、ある程度の “空気を読む力” や “協調性” が求められると感じます。
田舎暮らしは、人とのつながりがあるからこそ素敵ですが、それが窮屈さや生きづらさにつながる場合もあることを知っておいてほしいです。
このように、田舎暮らしには大変なことも結構あります。
移住を検討している方には良い面と悪い面、両方を知った上で選んでほしいと思います。
私が田舎暮らしを続ける理由
田舎暮らしの大変なところをいろいろと挙げてきましたが、「それだけ大変なら、どうして田舎に住み続けてるの?」と思った方もいるかもしれません。
理由はシンプルで、私は田舎での暮らしの方が性に合っているからです。
もちろん、大変なことはあります。
都会のように便利なサービスや娯楽がすぐ手に入るわけではありませんし、仕事の選択肢も多くはありません。
それでも私が田舎に住み続けているのは、日々の暮らしに“無理がない”からです。
例えば、朝は鳥の声とともに目が覚め、夜は外がしんと静まり返る。
そんなメリハリのある生活リズムが、私にはとても心地よいのです。
都会のように朝から夜までずっとにぎやかだと、気が休まらないタイプの私にとってはちょっと疲れてしまうんですよね。
また、田舎では周囲に人が少ないぶん自分のペースで物事を進めやすいとも感じています。
好きな音楽を聴きながら散歩したり、空を見上げて季節の移ろいを感じたり。
派手さはないけれど、そんな毎日の中に「幸せって、こういうことかもしれない」と感じることがあります。
田舎暮らしが誰にとっても合うとは思いませんし、都会の暮らしの良さもたくさんあると思います。
でも、もし今の生活にどこか違和感を抱えているなら──
「自分がどんな環境なら落ち着いて過ごせるか?」を考えてみるのもひとつの方法です。
私にとって田舎は、便利さや収入以上に「心の余白」をくれる場所です。
だから私は、これまでもこれからもこの場所で暮らしています。
田舎へ移住を考えているあなたへ
ここまで読んでくださってありがとうございます。
大変な部分も率直に書いてきましたが、私は今の田舎暮らしが好きです。
私は都会に住んだことがないので「都会と比べてどうか?」という視点では語れないのですが…
都会に出たいと思ったことがほとんどないくらいには、今の暮らしに満足しています。
田舎暮らしには、確かに不便さや人付き合いの濃さなど向き不向きがあります。
それでも興味があるなら、ぜひ一度、「自分にとっての理想のライフスタイル」をイメージしてみてください。
- 静かな環境でのびのび暮らしたい
- 自然のそばでリフレッシュしながら仕事がしたい
- 子育てにあたたかい地域のつながりを求めている
そんな方にとっては、田舎暮らしは良い選択肢になるかもしれません。
不安や疑問があるのは当然ですし、実際に住んでみないと分からないことも多いです。
でも、「ちょっと面倒そう」よりも「それでも楽しそう」と思えた方になら、田舎はとても心地よい場所だと私は思います。
無理におすすめする気はありませんが、もし同じように田舎の良さを感じてくれる方がいたら、「ようこそ、田舎暮らしへ」と笑顔で言わせてください。
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